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航空エンジン・宇宙用途 |
マスキングシステム
航空・宇宙用に高温の拡散コーティング/処理における
合金や超合金の部品に対するコーティング組成保護の為のマスキング方法とその材料を
開発しました。
マスキング材料はドライパウダー、バインダー及び希釈剤からなります。
材料はお客様の要求・用途に応じ調合しております。
全ての材料に関し、調合の後、化学試験及び金属試験を行い、実際のコーティング状況下での試験をしております。
高温度コーティングマスキング材(ドライパウダー)
M-1 マスカント
金属ベースのパウダーマスク材は、その他の材料に対して乾いた状態、もしくは下塗りとしてご使用頂くものです。
スラリーのマスクとしてご使用される際には、B-4, B-100, B-200バインダーと併用し、M-7マスカントでトップコートします。
M-1は基本的に超合金ベースの金属に対し不活性であり、その機能はアルミなどのコーティング金属の拡散を防ぐゲッター合金の役割を持ち、コーティングが望まれない、またはしてはいけない表面部分の保護をします。
熱加工の後、M-1マスカントは硬質のM-7の「さや」とそのさやを砕いた中は柔らかい粉末状態になります。この粉末は空気ブラストによって容易に取除けます。グリットブラストやワイヤブラッシングの必要はありません。
M-7 マスカント
バインダーと併用していただくと、M-1マスカントのトップコートの役目をもつオーバーコートパウダーです。M-7マスカントはM-1を硬く「封筒する」ような格好で、処理後、M-7の材料は硬くなり、かつM-7とM-1は共に完全に保たれた状態になります。それにより、除去の際にコーティングパックあるいは混合したコーティング素材が汚染するのを避けます。M-7は木製、プラスチック、またはゴム道具で打つことによって容易に砕けます。またM-1の方はM-7の下ではっきりとした状態で残っております。ユーザーのご要求によりコーティングする部分を識別する為にM-7グリーンもご提供が可能です。
M-17 マスカント
M-1とM-7を混合したマスキングパウダーで、スラリー(粒度が細かく高濃度)状で使用する場合、必ずしもM-1とM-7を別々に使用する必要はありません。
M-5 マスカント
M-5マスカントパウダーは、クローム拡散コーティングを施したニッケル及び
スチール合金・超合金の選択された箇所を保護するように開発されたものです。
M-10 マスカント
M-10マスカントはM-1と同じ材料ですが、より細かい粒子の材料であり、このマスカントを使うことで、コーティングとマスク表面の間の区別がよりはっきりします。
M-1, M-5, M-7, M-10及びM-17は主に1,500°F(約815°C)以上の拡散コーティング処理に使用されます。
低温マスキングコーティング材(ドライパウダー)
M-8 マスカント
M-8マスキングパウダーはアルミ拡散コーティングの際のエンジンブレードの根元などのニッケルベースの超合金の指定箇所に対し保護の為使用されるものです。機能としては、アルミニウムに対する「ゲッター」として、指定箇所を保護するエンブロープです。処理後M-8は木製、プラスチック、ゴムなどの道具を使って、容易に除去が可能です。また識別が必要な場合はM-8グリーンタイプもご提供が可能です。
バインダー
B-4 バインダー
有機バインダーを含む、有効性の高いユニークな混合剤であり、拡散コーティング中に完全に揮発する非爆発性、不燃性の溶剤です。
揮発中のパックの汚染やコーティングが塊になることはなく、オーブンで乾燥させる必要はありません。
B-100 バインダー
水性のバインダーで、オーブンによる乾燥が必要です。
B-200 バインダー
粘着性の高いバインダーで、オーブンによる乾燥が必要です。
D-4希釈剤(シンナー)Diluents
この希釈剤は、マスカントスラリーの粘着性を維持するために必要に応じ使用いただくものです。これは室温や、マスカントスラリーの揮発性成分を変える場合に使用いただく有機混合剤です。
なおこの希釈剤はB-4 バインダーとのみご使用頂けます。B-100、-200バインダーにはご使用になれません。
ASC 2-N 剥離材
水に非常に溶けやすい青色の結晶化合物です。
硝酸の入った水溶液において、露出した状態のエンジンのニッケル及びコバルト超合金のアルミナコーティングをきれいに除去する際に非常に効果的です。材料としては 乾いた果粒状の粉末パウダーにてご提供が可能です。
その他のマスキングシステム
マスキングテープ
標準のM-1材を含む非常にフレキシブルなテープです。サイズは厚さ0.050インチ、長さ25フィートのロールタイプで、幅は3/8インチから8インチまでのものが提供可能です。ロール以外には型取りしたプリフォーム状のものも提供が可能です。プリフォームの場合、テープは内部をアルミナイドでコーティングしたタービンブレードの底に「ガスケット」として用いられ、ブレードのコーティング不可の部分のコーティングの漏れを防ぎます。また付属製品として、マスキングが困難な箇所(ブレードのプラットフォーム部分など)へのスラリー、またドライマスキング処理にも使用いただけます。その他の用途としては、コーティングをしてはならないタービンブレードのスクエラーポケットの部分やそれ以外のノーコート部分があります。金相顕微鏡による検査では、最大でも合金減少が0.0004インチ(0.01ミリ)以下であることを確認しております。
マスキングパテ
化学成分はM-1マスカントと全く同じですが、M-1を用いてメッシュサイズを50%減らして作った製品です。
提供可能なサイズは4×4インチから8×8インチまでですが、カスタム対応も致します。
実際のところサイズの制限はありません。なおパテはニッケルホイルまたドライ・スラリーマスカントと併用し使用いただく補助製品です。このパテを使用した場合の合金現象についても0.0004インチ以下であることを確認しております。マスキング材がマスク部に焼結するのを防ぐのに必要とされる層を分ける不活性材が不要であり、コーティング後の灰や溶着金属の心配も無く、必要とされるのは表面を軽くブラッシングするかエアーで吹くだけです。
マスキングスラリー
マスカントとバインダーをあらかじめ混合したもの
マスキング材の検量、混合する作業の省略
高粘着性
スラリーの具体的な使い方については、弊社までお尋ね下さい。