Tactical Technologies 社
EWシステムモデリング
エンゲージメント・シミュレーションと解析
防衛手段の有効性評価


Tactical Engagement Simulation Software(TESS「テス」)

Tactical Technologies 社 (TTI) は、タクティカル・エンゲージメント・シミュレーション・ソフトウェア(Tactical Engagement Simulation Software (TESS))ファミリーを開発しました。このTESSファミリーは、電子戦(EW)の研究 施設におけるシステムモデリング、エンゲージメント・シミュレーションと解析、防衛手段の有効性の評価をサポートします。オープンソースを用いた汎用システムモデルに基づきユーザー入力にて特定のシステムの振舞を特化 する事で、タクティカル・エンゲージメントを模擬したり、システムの反応を解析したり、各種の対電子策(ECM)及び対電子対策(ECCM)テクニックの有効性の評価を行う事が出来ます。
TESSは、システムの振舞及び脅威とターゲット・プラットフォーム・システムの相互作用を模擬エンゲージメント  空間で忠実に実施します。シミュレーション中、ユーザーは相互作用をモニタする事が出来ます。完了時にTESSは、ミスディスタンスと生存の可能性という観点で、エンゲージメントの有効性に対する総体的結果を生成します。TTI の製品は、MATLABâとSimulinkâに基づいて製作されており、ソース又はセミコンパイル・コードとして提供 されます。ソースコードによりユーザーは、独自の仕様に合わせてTESSソフトウェアを修正する事が出来ます。 セミコンパイル・フォーマットでは、ユーザーによるコードの修正は出来ませんが、全く同じ分析機能を実行します。

TESSファミリーは、地対空ミサイル(SAM)、空対空ミサイル(AAM)、対艦巡航ミサイル(ASCM)、レーダー制御対 空砲(AAA)を含む多様な威嚇ベース・システムをカバーしています。TESS製品の選択は、威嚇システムの誘導/ ホーミング・テクニックにより決定され、TESSファミリーは現在下記の様に構成されています。

  • アクティブパルス・ドップラーレーダ誘導SAMとAAM
  • アクティブレーダ誘導対艦巡航ミサイル
  • 非コーヒレント式ターゲット追跡レーダ誘導、セミアクティブSAMとAAM
  • コーヒレント式ターゲット追跡レーダ誘導、セミアクティブSAMとAAM及びアクティブ誘導SAM
  • コマンド誘導SAMとAAA
  • パッシブ赤外線誘導SAMとAAA
  • 多機能監視レーダー
  • 統合対艦ミサイル防御システム (ソフトキル & ハードキル)


TESSシミュレーションのターゲット・プラットフォームには多様な自己防御システムを備えた艦船や航空機が   含まれています。典型的なTESSエンゲージメント・シミュレーションでは、操縦の連携、チャフと(又は)フレア、  オンボード/オフボード・ジャミング、アクティブ及び(又は)パッシブデコイを効果的に活用する事が出来ます。 これらの防御武器やテクニックは、単独、同時、又は  連続して展開する事が出来、効果を評価出来ます。特定の武器及び(又は)防御武器システムをモデル化する ために、ユーザーはTESSの汎用システム・モデルを  適当なパラメータ・データを使って特化します。研究機関での共通性を促進するため、TESSは電子戦統合リプログラミング (EWIR) データベースと同じパラメータを採用しています。

TESSは、高性能で物理学定理に基づくモデリング、シミュレーションのソリューションです。その汎用システム・ モデルは物理学と工学の数式やオープン・ソースの技術文献にあるアルゴリズムに基づいており、これらは3次元ミサイル空気力学、ミサイル及びシーカー制御システム、ターゲット・プラットフォーム・シグネチャ、防御武器 信号波形をサポートしています。その詳細にわたるサブシステム・モデルには、角度や帯域、ドップラー・ディスクリミネータに見られる非線形効果や、アンプ、ミサイル  本体制御動翼リミッターや非線形探索、収集、トラック・モード・スイッチングといった機器が含まれています。

解析用のツールとして、TESSには多様なシミュレーション・オプションがあります。ユーザーはTESSシミュレーションをdeterministic(決定的)モードとstochastic(確率的)モードのいずれかで走らせる事を選択でき、これらのシミュレーションは個別、またはモンテカルロ法で、あるいは非確率論的バッチにて走らせる事が出来ます。これらの 統計的解析ツールはTESSのマスター・インターフェイスに組み込まれる標準機能です。

TESS入力パラメータ
特定のシステムをモデル化し、エンゲージメント・シナリオの相互作用を模擬するためには、威嚇武器とターゲット・プロットフォーム・システムについてのパラメータを入力する必要があります。これらのパラメータは、エンゲージ  メント・ジオメトリに関する情報のみならず、ターゲット・プラットフォーム・シグネチャやフレア及び(又は)チャフシグネチャの多様なルックアップテーブルに沿ったシステム挙動パラメータを含んでいます。研究機関において認定 されているソースデータとの共通性を保つために、EWIRデータベース・パラメータ・セット(及び単位系)を有効利用するので、システムの特化過程における転換や変換エラーを最小限に抑える事が出来ます。
パラメータ入力はデータベースのアーカイブと復旧をサポートしているSimulinkâダイアログ・ボックスを使うか、TESSマスター・インターフェイスを通して手動で行う事が出来ます。TESSマスター・インターフェイスは、威嚇システムとその全てのサブシステム、及びターゲット・システムとその全ての防御システムを完全に定義したTESSシステム階層をサポートするように構築されています。TESSマスター・インターフェイスには、高レベル・システム・ユーザー・インターフェース、リレーショナル型データベース管理システム(DBMS)及び柔軟なシミュレーション・バッチランナーが含まれています。TESSマスター・インターフェース DBMSは、自動EWIRデータベース・ダウンロード用に、カスタマイズされたSQLリンクを通してマスター・データベースにリンクする事が出来ます。パラメータがすぐに利用出来る状態でないような箇所には、ユーザーのためにTESSが制御システム、電磁工学及び航空工学的理論、TESSエラー・チェック・アルゴリズムに基づいたデフォルト値が割り当てられます。


TESS製品ファミリー

  • ACSM (AR) – アクティブ・レーダー・ホーミング対艦巡航ミサイル
  • ASCM (IR) – 赤外線ホーミング対艦巡航ミサイル
  • SAM (CG)/AAA – コマンド誘導SAMと対空砲
  • SAAM (SA) (no-cho) – TTR非コーヒレント・ホーミングSAMとAAM
  • SAAM (SA/TVM) – セミアクティブ・ホームングSAMとAAM、コーヒレント・パルス・ドップラーTTRトラック・ビア・ミサイルSAM
  • SAAM(APD) – アクティブ・パルス・ドップラー・ホーミングSAMとAAM
  • SAAM(IR) – 赤外線ホーミングSAM、AMM
  • MSR – 多機能監視レーダー
  • IASMD – 統合対艦ミサイル防衛